andante

967

1226'

今日はすこしだけ元気
部屋の段ボールを棄てられたからかもしれません小さい達成感とその視覚的影響(の影響)は無視できないものがあると思います


午後から研究室へセミナがあってなんでこの集まりにこのひとがという感じのものだったのだけど(ほんとうに偶然そう決まったらしい)平衡統計力学の基礎となる要請の話でとてもスリリングだった(僕はいまとても興味深かったと書こうとしたのだけどそれは僕がいつもまったく興味のないことについて感想を書かされるときに余白を埋めるのに使う言葉だったから僕はそれを使いたくなかったこの説明必要か)エルゴード仮設は特に必要ないしそもそも正当化できないというのが最近の流れだというのはなんとなく聞いたことがあったけど等重率の原理もより本質的な仮定に置き換えられるというしボルツマンの公式を用いない定式化ができるというのが先生の最近の仕事らしかった聴衆は僕も含めてそれほど専門的な知識を持っているわけではなくてだから幾分端折って話していたからいくつかの議論はよくわからなかったしスライドが移り変わってゆくあいだに定義を忘れてしまったりしたけれどけっこう理解はできた(と思う)

要請のこと等重率の原理のかわりにほとんどすべての状態は平衡状態であるという要請を置くこれが具体的にどのように置き換えられるのだったかはちょっと思い出せないし僕がよくわかっていないと思うメモみたら書いてあるかも(証明は端折られていたが)

それから統計力学の新しい定式化系のエネルギーEが与えられたときその系の力学的量の値はエネルギーEの固有状態すべてのランダムな重ね合わせ(Thermal Pure Quantum stateと言っていた)を調べればいいらしいそれは知られていたことだけどそれだけではエントロピーのような熱力学的量は出てこないし(状態を一つだけ眺めているのだもの)そのような混合状態を構成するのも非常に困難だった(1229追記:TPQ状態は混合状態ではないとの指摘をもらったので修正密度行列で書いてたので混合状態だと思ってしまってた)
しかし全固有状態のランダムな重ね合わせ状態から出発してある操作(ここは聞き逃したか端折られたかでよくわからない)を適切な回数繰り返せば先に述べたようなTPQ状態によく似た状態を作ることができて(このとき系のエネルギーは∞から減ってくるらしい)それを使えば力学的量が求められるというさらにこのようにして作ったTPQ状態はエネルギーについてδ関数に近づくのだけれども実は違っていてその頂点の丸みのぶんだけマクロな量熱力学的量に関する状態を含んでいるみたいな話だったと思うとにかくこうしてエントロピーも温度も求められるしかもここでは行列の乗算しか使っていない対角化も逆行列も使っていない実際にこれで計算したところ反強磁性XY格子の厳密解とはかなりの精度で一致したらしい有限温度で使える(絶対零度でなくても使える)というのも大きなメリットだそうだ(でも任意の温度で使えるというわけではないのかなと思う操作の繰り返しによっていろいろな温度(に対応するエネルギー)をとりますよというだけ)

というめもいやあきちんとすごさを理解できているかは怪しいけれど興奮しました大数の法則ちょっと好きだし

夜はセミナの懇親会があって師匠と学会発表のことを相談して一応方針が決まったので打ち合わせ資料を作成予稿はこれから書きますけどまあそんなに細かくは見られないだろうとのこと(まだどうにでもなるし)しかしやっぱり僕にはあまり評価に値する成果であるとは思えなくて少なくとも僕の(というよりもボスが僕にやらせたがっている)モチベイションから必要とされる性能には遠く及んでいないわけですまあそれでも発表しておくことは悪いことではないのかななんだか後ろめたいなと思うのですけど
まあ今夜はもうすこしがんばります明日は昼からだしね


やはり元気になってすこしだけでも魅力的な人物であろうと思いましたそんな気力がどのくらい残っているのかわかりませんこれもたぶん不安定に乱高下する気分の一つのピークにすぎないのでしょうだからせめてここに記録しておこうと思います