2023年について
一昨年も昨年も書いたから、という理由で今年も総括を書く。規則というのは力だ。圧力だ。
昨年のものはこれ: https://ofni.necocen.info/4643
家を買って引っ越した。これは昨年にはまったく想像していなかったイベントで、今でも驚いている。もちろんそういうことがあっても全然おかしくない年齢ではあるのだが、本当にそういうことがあるとは思っていなかった。現実はいつも現実感がない。
春頃に家を探し始めて夏に契約し、秋からリフォームを始めて冬にようやく引っ越しをした。一年中ずっとこのことを考えていたという勘定になる。疲れた。疲れたが、当面は住居について考える必要がないので、それは嬉しい。
リフォームの際には、自分の思慮の及ぶ限りで使い勝手がよくなるように努力したつもりだが、結局予算の都合に阻まれたり、実現してみると思ったほど機能しなかったりで、ままならないなと思った。まあこれは、次に家を建てる(何十年後かはわからないがそうしたいと思っているんだよ)時に活かせたらと思う。
習慣について。結局正月早々にギターを始めた。一年、細々とではあるが練習を続けられたのは、我ながら驚きだ。それほど劇的に上達したとも思わないが、自分で満足感を得られる程度には弾けるようになったと思う。それは嬉しい。こういうことができないことで悩んでいたから。
とはいえもっと練習しなければならないだろう。来年もがんばる。
フィンランド語の学習も、やはり細々だが一年続いた。Duolingoが年末に教えてくれたところによれば、習得した語彙は2000近いらしい。これも、こういうのがなかなか続けられない性格だったから驚いている。ただ、まだ過去形すら習っていない。
独りでカラオケに行く、ということを初めてした。カラオケはずっと苦手で、というのもそもそも知っている歌があまりない(あるのだが、あまり友人達と趣味が合わない)し、自分の声があまり好きではない。出せる音域もあまり広くないし、マイクで強調してみると全然正しく音程が取れていないことにも直面せざるを得ない。そういうのを他人に聴かれるのが嫌で、だからずっと苦手意識を持っていたのだが、これらの問題は結局、独りで行けば全部解決するのだということをようやく理解した。まあ、独りでずっと歌っているとそれほど長くは喉が持たないのだが。それでも思っていたよりずっと楽しかったし、来年も折を見て何度か行けたらと思う。
十年か十五年遅れて、自分が少しずつ普通になっているような気がする。それには寂しさを感じないでもないが、それでも喜ばしいことであろう。
それ以外の趣味。今年もけっこうコードを書いたように思う。主にRustで、ひまわり衛星画像ビューアを作ったり、blogのリファクタリングをしたり。最近はネットワークの知識を得ようと思っていろいろいじったり、k8sをセットアップしたりもしている(引っ越しで時間が取れていないが……)。けっこう楽しくプログラミングできたかなと思う。
一方で、去年のメインプロジェクトだった自作キーボードは、今年は何もしていない。結局アルミ削り出しでケースを作るとかもやらなかったな。ただ、誤検知が地味に多いから、ファームウェアの改善はちょっとしたほうがいいかもしれない……(と、思ってから一年放置しているが……)。
そういえば、Mastodonクローンを自作しようとしていたこともあったが、あれは……。
そう、Twitterが大きく経営方針を変え、サードパーティクライアントが使えなくなったり名前がXになったり、いろいろあった。そしてまあ、人心はけっこう離れてしまい、移転先をみんな探していたようだが、結局それほど大規模な流出は起こらなかったように思う。Nostrとか、Misskeyとか、Mastodonとか、Blueskyとか……。結局SNSは人なんだよね。ソーシャルグラフを人質に取られた我々はどこへ逃げることも容易ではない。
技術の話。生成AI旋風の年でしたね。ChatGPTを始めとして、自然言語でのインターフェイスが使えるようになったことで一気に普及したなと思う。そしてまあ当然、これだけ言葉が達者なやつは、意識を持っているのか?という疑問が生じるけれど。まあ、持ちたければ持ったらいいんじゃないですかね、意識。
今のところこいつらがソフトウェアエンジニアとしての仕事をまるっと奪いに来るという感じではなさそうだけど、活用できるとできないとで作業効率はぜんぜん違うなと感じる。Stack Overflowとか全然見なくなったしな。大変なんじゃないだろうか。元々どういうモデルで運営されてたのか知らないけど。
ChatGPTというと、ChatGPTに手伝ってもらいながら小説を書くということを少しだけやった。本当に少し。一万字くらい。文章が分かりづらくないか相談したり、いったん叩き台を書いてもらったりすると、ちょっと書きやすくなるなと思った。ただ、これは結局あまり時間を取れていない。来年も細々続けたいが。
仕事は、なんかまあ停滞していた。昨年からやっていた大きなプロジェクトが春に一応の完成をみたが、それ以降あまり有意義なことができている感じもない。大きなことを始めようとして、周囲を巻き込む力が僕に足りていないのかもしれないし、単純に状況がそれを許さないのかもしれない。うーん。
健康の話。秋にいっとき胃の調子が悪くなってしんどかったが、それ以外は特に大病という感じのことはなかった。何度か風邪で寝込んだことはあったか。
片頭痛の調子は相変わらず良くない。閃輝暗点が出ることに対して過剰に?怖れてしまっている部分があって、ちょっとでも視界がチラつくとしばらく目を休めようとしたり、結構日常生活に支障を感じることが多い。薬は飲んでいるはずなのだが。
MRIは撮ってもらったが、ここらでもうちょっと腰を据えて調べた方がいいのかもしれない。引っ越したからまた通う病院も変わるし、相談してみたらいいのだろうか。
この一年、世界の状況はまああまり良くはなかった。別に今年に限ったことではないのかもしれないが、印象的だったなと思う。インターネットは相変わらずつまらない諍いに明け暮れている。しかし、大谷翔平は生きる伝説のような活躍をしているし、藤井聡太も八冠の偉業を達成した。なんか、こういう活躍を耳にすると嬉しいなと思う。彼らの伝説はどこまで続くのか、それを目撃したい。
まあ、世界のことはどうでもいいか。個人的にどういう一年だったか。どう?まあ、やはりギターとフィンランド語を続けられた、継続の一年だったと言えるだろう。このことは、これから中年と呼ばれる年代に差し掛かっていく僕にとっては明るいニュースだと思う。まだ、何かを始められるし、昔よりもずっと続けられる。それは希望だ。「背伸びして生きることを忘れない」、今年も実践できたのではないだろうか。新しい家にもけっこう満足しているし、来年も挑戦と継続をできたらいい。つまらないことだが、来年の抱負はそれになるだろう。
そういうわけで、本年はたいへんお世話になりました。よいお年をお迎えください。来年もよろしくお願いします。