0816
リスニングがとても悲しい。
朝十時に起きる試みは成功したものの二時間ほどだらだらとだらけていた。午後になって大学に足を運んだ。二週間ぶりの電車はすこしばかり敵対的で脚がすこし震えた。どうして震えたのかはわからなかったけれども脚はふるふると震えた。僕はイヤホンの音量をひとつ上げた。
というようなことがあり書籍部でTOEFL ITPのリーディング・リスニングの参考書を購入。その後控室で小一時間リーディングの簡易テスト。正答率は43/50。初回でこれは悪くない。ただし本番と比べた難易度は謎である。ともあれ自分の勘違いしやすいところが大まかに見て取れたので今後の対策でどうにかなるであろう。なれ。なろう。なるんだ。
横文字に飽きたので帰ろうかなと思っていたところSからメール。彼女は今日はオフ会に出ておりカラオケに行っていたのだが僕も来ないかという。もともと誘われていたのを試験前を理由に断っていたのだった。場所もそう都合が悪くもなかったので終わったところを挨拶だけしてきた(ありがとうございました、これといってなにもできなくてすみません)。
で先ほど帰宅してリスニングのCDを聴き問題を解いているのだがまったく歯が立たないのである。特に長文は絶望的である。これはあと五日でどうにかできるものなのか多いに懐疑的だ。日本人はリスニングが特に不得意だというがまさかこれほどではあるまい。なにか一足飛びにこれを補う秘策が必要であろう。悩ましい。
今夜は早く眠り明日は六時頃に起きるつもりである。六時に起きて一日をきちんと過ごし、夜は夜更かしを避けるのである。がんばろう。
池澤夏樹の「スティル・ライフ」を読んだ。理由には二つあって、恋人が好きな本に挙げていたことと、最近あった芥川賞の選考で彼が円城塔を評価していたので関心を持ったこととである。
感想については僕の乏しい読解力と感受性を開陳するのみに終わるであろうから控える。僕には文章の背後に横たわるものや登場人物の心情の機微を察する能力が具わっていないのである。ただ描かれた情景を舌先で転がしてみて、ときたま頬が緩むのを感じるのみである。
雪が降る話はよかった。
雪の降る夜の音というものがある。その文字列による表現に、痺れるような明晰さを掛け合わせたもの、それが僕の望む文章だ。熟練した体操選手のような、一分の隙も無い足取りで距離を詰め、勢いよく一輪の花をつつむその掌はやさしく。場面は転換し透き通るような夜。ずっと聞こえていた、だけどもいま初めて知覚された空気の振動が、夜の揺らぎを均してゆく。