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今日は映画を2本観て、どちらもよかったので、その話をします。
お昼過ぎに起きて、『アイの歌声を聴かせて』を観に行きました。これはTwitterでちょっと評判で、なんかこう、ステレオティピカルなAIものとは一線を画した出来だと聞いたので観に行った。めちゃめちゃよかった。こう、まあ、僕も別にAIもののSF作品にそんな造詣があるわけでもないのだけど、一昔前までのAIって、結局はヒューマニティの噛ませ犬みたいなとこあって好きじゃない作品が多かったんですよね。機械知性が人間っぽくなるのは成長じゃねえ。小説だとそうでないのもけっこうあって、たとえば『アイの物語』とか好きなんですが、映像でなかなかそういうのがなく、もちろん僕が知らないだけの可能性は大いにあるんですが、そういうわけで、映像で、こんな風に、機械知性が機械知性にしか見えない景色を見て、ヒトがそれを受け入れているのは、新鮮に感じた。これが、もはやすっかり人間より高性能になったAIのいる2020年代の当たり前なのかもしれない。気がつけばテレビの囲碁中継にもAIによる形勢判断が表示されている。
夜はGEOで借りてきた『薔薇の名前』を観た。これは原作が好きで、映画になってると聞いたのでいつか観てみたいと思っていたもの。これもよかった。原作が現代の碩学であるところのウンベルト・エーコが中世の修道院のリアリズムと現代的なストーリー性を高度に統合した傑作なわけですが、映画もリアリズムには非常にこだわっていて、そこに映像ならではの説得力が加わっていて非常によかった。しかし、リアリズムということは要するにおたくのための映像という話もあり、なので監督のコメンタリーによれば歴史的繋がりのあるヨーロッパではヒットしたがアメリカではあまりウケなかったらしい。まあ、さもありなんという気はする。
さて、今日はそういうわけでずっと映画を観ていた気がする。満足して寝る。