0819
仕事の前に病院。相変わらず予約なしだと平気で二時間待ちとかになるの、たぶん平均的な事態ではないし転院を検討すべきっぽいけど、めんどくさいので検討しない。二時間待つのは別に本を読んでればいいし(今日ちょっと遅刻したけど)。
仕事は計算機巫女業。batchnormのbeta項が一部分だけドンドン大きくなってしまうのは、要するにその後weightを掛ける時にその部分がdominantに効いているということで、つまり一部の次元しか必要じゃないということなのかもしれない。なのでモデルのチャンネル数を減らして挑戦してみたり(もともとちょっと大きすぎる気はしていた)。今のところそういう挙動は消えたのだけど、オートエンコーダの表現力が落ちてしまった。難儀なものである。(冒頭に巫女業と書きましたが今日は比較的巫女度低く科学度高めでしたね)
あと勉強会でTensorFlow for iOSとかBNNSの話をしましたけど、まあなんかあんまりちゃんとしゃべれなかった気がする。やっぱり発表は苦手なままです(そしてそのことに少し安堵する自分がいるのだ)。
たとえば、この世界の中にある計算機によって一つの世界をシミュレイトしたとする。このとき、もし計算機が理想的だった場合は、シミュレイトされる世界とこの世界とは関係を持たないことも有り得る。しかし実際にはそうならないだろう。たとえば計算機の微細な回路に電流が流れるとき、そこには(ほとんど無視できるであろうにせよ)有限の電磁場が発生し、それは隣の回路の電流にも影響を与えるだろう。
その影響はほとんどの場合、シミュレイションの結果に影響を及ぼすことはないだろう。しかし、特定の条件下(あるいは確率的に)では影響を及ぼすかもしれない。そして、その特定の条件は、あるシミュレイション状態に対応することになるだろう。つまり、ある状態$A$と、それによって惹き起こされる状態$B^\prime$とが、理想的なシミュレイションでは起こり得なかった形で連関することになる(一方、理想的なシミュレイションならばここでは$B$になるはずだったとしておこう)。
シミュレイションを内側から見た場合、$A$と$B^\prime$との間に法則性を見出すことは通常のシミュレイション内物理学の範疇である。そして、シミュレイション内物理学の営みにおいて、$A$と$B$との間に法則性を見出すことと、$A$と$B^\prime$との間に法則性を見出すこととを区別する術はないだろう。だから当然彼らは$A$から$B^\prime$へと遷移するような基本法則を探求する。それはもう、この(外側の)世界の物理学と繋がっている(彼らがそう考えることは絶対にないだろう。「限りなく段差に見えるなめらかな急変」を発見することはできるかもしれない。我々が物体の輪郭をはっきりとした境界だと思って暮らしているように)。
理想的なシミュレイションの場合、そのようなことは起こらないだろう。しかし、そんなものは存在しない。あるいは、あまりにもどこにでも存在する。