andante

2014-12-27

1226

お昼から仕事会社の人は大掃除をしていましたが僕の属するプロジェクトの人だけ会議室でコードを書いていましたまだAutoLayoutを完全に支配したとは言い難い

その後は仕事が納まっていないにもかかわらず忘年会で酒を飲みました体調が懸念されたけどとりあえず大丈夫でしたでも明日も仕事だはー


昨夜書かなかったことをすこし書きましょうまずL関数の公式は次で与えられます
\[
L(r, \chi)=\frac{1}{(r-1)!}\cdot{\left(-\frac{2\pi i}{N}\right)}^r\cdot\frac{1}{2}\sum_{a\in{(\Z/N\Z)}^\times}\chi(a)h_r({\zeta_N}^a)
\]
ここで$r$は自然数$N$は2以上の自然数$\zeta_N=e^{2\pi i/N}$$\chi$は$\bmod N$のディリクレ指標で$\chi(-1)={(-1)}^r$をみたすものとします$h_r$は有理関数で
\[
\begin{align}
h_1(t)&=\frac{1+t}{2(1-t)} \\
h_r(t)&={\left(t\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d}t}\right)}^{r-1}h_1(t)
\end{align}
\]
で与えられます

L関数の公式の証明には$h_r$が
\[
h_r(t)=(r-1)!\cdot{\left(-\frac{1}{2\pi i}\right)}^r\sum_{n\in\Z}\frac{1}{{(x+n)}^r}
\]
と書けることがそしてこれはsinの積公式に由来する用いられるのですがこのとき$h_r$に現れる無限和の$n\lt 0$の部分を折り返して$n\gt 0$に持って行く最終的な$L(r, \chi)$の定義は$n\ge 1$の和なのでそうする必要がある操作が$\chi(-1)={(-1)}^r$でなければ$\chi$は準同型なので$\chi(-1)$は$\pm 1$しかとれないもともとの$n\gt 0$部分と打ち消しあって0になってしまうためにこの制限が要求されます
この制限があるとたとえば$\bmod 2$の自明な指標$\chi: \{1\} \longrightarrow \C^\times$に対しては$\chi(-1)=\chi(1)=1$であることから$r$が偶数の場合にしか適用できないことがわかりますそしてまさにこの$\chi$によって$\zeta(r)$は$L(r, \chi)$と接続されるので奇数の$r$についてはこの方法で$\zeta(r)$を求めることはできません

では$\chi(-1)=-{(-1)}^r$だった場合すなわち打ち消し合ってしまった場合にはどうなるかこの場合得られる関係式は
\[
\sum_{a\in{(\Z/N\Z)}^\times}\chi(a)h_r({\zeta_N}^a)=0
\]
というものになります簡単な例では
\[
\begin{align}
\chi(1)h_1(-1)&=\frac{1-1}{2(1+1)} \\
&=0 \text{ただし$\chi$は$\bmod 2$の自明な指標} \\
\xi(1)h_1(i)+\xi(3)h_1(-i)&=\frac{1+i}{2(1-i)}+\frac{1-i}{2(1+i)} \\
&=0 \text{ただし$\xi$は$\bmod 4$の指標で$\xi(1)=\xi(3)=1$}
\end{align}
\]
となります

なにやら非自明な関係式が得られたような気がしましたが実際は別にそんなことはないすくなくとも$r=1$の場合はそうで一般の$r$については技術不足で示していないちゃんと微分すれば出そう
まず$N=2$の場合つまり$\chi$が$\bmod 2$の自明な指標だった場合これは$r$が奇数の場合に条件をみたさないのだが明らかに$h_1(-1)=0$となるし$h_3(-1)$も0になるその先は確かめていない
次に$N\gt 2$の場合この場合は$a\in{(\Z/N\Z)}^\times$にわたって和をとることになるがこの項の数は偶数個となる例外は$N=2$の場合で1のみとなるこの個数はすなわち$N$と互いに素な数の個数だがそれはオイラーのトーティエント関数で与えられ容易に計算でき1以外の奇数になることはあり得ないことが示せる
とするならばすべての$a\in{(\Z/N\Z)}^\times$に対して対応する$(N-a)=-a\in{(\Z/N\Z)}^\times$が存在することが言えるこれらの一方だけが$N$と互いに素でないという状況は起こり得ないまた$a$は偶数個あるので重複することもない$a$についての和は2つずつの組$\chi(a)h_r({\zeta_N}^a)+\chi(-a)h_r({\zeta_N}^{-a})$の和にすることができる$\chi(-a)=\chi(-1)\chi(a)$だから結局これは$\chi(a)\left(h_r({\zeta_N}^a)-{(-1)}^rh_r({\zeta_N}^{-a})\right)$の和ということでもある
最後に$h_r(t)$と$h_r(t^{-1})$との関係を調べる$h_1$については明らかに$h_1(t)=-h_1(t^{-1})$$h_2$については$h_2(t)=h_2(t^{-1})$であり一般の$h_r$についても$h_r(t)={(-1)}^rh_r(t^{-1})$であると予想されるがこれも証明はしていないともかくこれを仮定すれば先の組は$\chi(a)\left(h_r({\zeta_N}^a)-{(-1)}^r{(-1)}^rh_r({\zeta_N}^a)\right)$となって打ち消しあって0となる

こうして同じところに2通りの経路で至ったわけだが結局ずっと同じ話をしていただけのような気もするし途中で口調も変わってしまったしこれはなんだったのだろうともあれこうした計算を進めるのは数学をしている気分が高まって楽しい


ツイキ:そういえばblogをまたリニューアルしたいなと思いましたmroonga対応もしたいしカレンダーが縦に長くなりすぎたなという気もするしそれから私的注釈機能もつけたい次作る時は技術blogでそうしたようにcomposerでORMとか入れていい感じにしたいテンプレートエンジンは使えないけど……インデントをきちんとしたい