名古屋小旅行記
0908,0909の一泊二日で名古屋に行っていました。きっかけは特になくて、強いて言うなら八月の終わりに部活動の合宿に行ったという恋人から青春18きっぷがいくらか余っているので買いませんか、という話を聞いたことだと思います。それで、ああふらっと旅に出てみるかあ、ということになったのでしょう(あいまい)。ちなみに、こういう旅の対義語は「シャープな旅」といいます。理由は訊かないでください。
ああ、なんかそれよりも前に、「たくさん電車に乗っていたい」みたいなことを思ったような気はします。地下鉄はあまり好きじゃない気分なのですが、天気のいい日に混んでない電車に乗って本を読むのっていいな、と思ったのでした。
まあともかくそれで手段を手にしたわけですが、行き先を決めないのはよくないかなあと思ったわけです。無計画に行動したいという憧れはあるのですが、ほんとうに無計画で行動すると僕はたいてい失敗するので(この「たいてい」は特に前例があるわけではないのですがそう思い込んでいます)、僕自身は無計画でもすでに大勢の人が計画的に行動した足跡が残っているようなルートを辿るのがいいかなあ、とか思っていました。あまり辺鄙なところにはゆかないということです。それで出発の前の晩(それは決めてた)に友人に相談したら「名古屋とかいいんじゃない?」みたいになったので名古屋とかにしました(志望動機)。18きっぷで帰省する時の経路とだいたい一緒ですしね。
で、翌日の昼頃に出発。新宿から湘南新宿ラインで小田原へ。小田原近辺は田舎っぽくてよかったです。あと小田原から熱海も。とてもいい天気で、飛行機雲の経時変化を眺めたりしました。この区間だけで来たかいがありました(だったら日帰りでよかったのでは?とは無粋なツッコミですよ)。
で、熱海からいくらかの駅を経由して名古屋へ。途中のなにもなさそうな田舎の駅にいた女子学生がなんだかきれいでした。絵になるというか。あのなにもなさそうな田舎で、彼女たちは学校が終わったらどこへゆくのかなとか、期末試験が終わったらどこでお祝いするのかな、とか、学校の友達の家っておいそれと行けない場所にあるのかな、とか、なんかまあそういう「都会人が考えそうな田舎の学生生活」みたいなことを考えていました。
名古屋についたのは十九時半ごろだったはずです。それで名古屋から地下鉄で二駅の栄という街のカプセルホテルの予約をとって、すこしぶらぶらしたり栄の駅前の公園でコードを書こうとしたりしました。公園は蚊がいすぎて作業どころではありませんでした。あとテレビ塔がみえたのと、仲睦まじい男女やら若者の集団やらがいました。このときには気づきませんでしたがここに本を忘れました(あとで取りにきたらちゃんとありました)。
で、ホテルについてがっかりしたのですが、個室にちゃんとしたドアがないのですね、あれ。すだれのちょっと遮光性の高いやつみたいなのがついてて閉めることはできるのですけど、なんというかもっとちゃんとした扉みたいなのの存在を想定していたのでびっくりしました(そんな環境だのに、個室のテレビでは桃色動画が無料で視られるのです。どうしろと!)。それと、コンセントもなくて、ああどうせならネットカフェとかにしておけばよかったなあと思いました。iPhoneの電池は寝ているあいだに切れました。
個室は飲食禁止で、共有スペースみたいなところでは食べられそうだったのですが、知らない人の前でものを食べるのは苦手だったので、こいつら全員寝ないかなーとか思いながら一時頃まで起きていたのですが、いまいちみんな寝る気はなさそうだったのであきらめて寝ました。この日はなにも食べていないことになります。
個室にもどったら、なんだか急に心細いというか、どうして僕はこんなところに居るのだろう、とか、なんかそういうことを考えてしまって悲しくなりました。疲れていたのかわりとすんなり眠りました。
朝は八時よりすこし前に起きて、それから大浴場にゆきました。体重計があったので乗ってみたら、服を着た状態で50kgを切りました。痩せたらしい。そういえばベルトも緩くなっている気がする。それから、コンセントがなくてもPCからiPhoneに給電できるなあと思って(というか前の晩にもすこししていたのですが、PCの電池が減るのも避けたくて、でももうコーディングとかしないなーと思って)そうして、それから名古屋市科学館の場所を調べて十時頃に出発しました。前の夜にすこし作業をしていた公園で食べそびれていた食事をしました。
名古屋市科学館は名古屋と栄のあいだの伏見という駅の前にありました。行ってみたらものすごく並んでいて、これは帰る時間を考えると無理かなあと諦めかけたのですが、並んでいるとどうやら新しくできたプラネタリュームの観覧券を買うので並んでいるだけで常設展は普通に券売機で買えるらしかったのでそうしました。プラネタリュームなんて百回くらいは観たので飽きたのです(好きですけど)。建物は生命館と理工館にわかれていて、まあ科学館で展示されてる程度の生命の話とかはいいかなーと決めつけて理工館だけ観ました。
展示内容はまあ普通です。竜巻を生成する機械が展示してあって、実演もしていました。あと板の上に粉体を置いて振動させるとパタンが見えるやつとか。元素周期表とか(セシウムさんもいました)。あちこちにこっそり物理に関係ある数式とか描いてあったのですけど特に説明はなさそうでした。ああでも、数理的なものごとが物理と関係してくるところを強調したかったのかな、と思える片鱗とかはあったように思います。ああ、あと、最先端度は低いかなあ。日本科学未来館なんかは素粒子のこと書いてたけど(まあそれにどんな意味があるのかはむつかしいけど)。
遠足だったのか小さい子がたくさんいました。ああいう場所に行くと理想の科学教育のこととか考えたりするのですがよくわかりません。たぶん自分に子供が出来たらやってみたいことなのだと思います。でもこれは僕の願望にすぎないし、母が僕にピアノをやらせたのと同じ理由なんだなあと思って、すこし躊躇われます。僕はあれがほんとうにいやだった(いまはピアノを弾きたいなって思っていて、昔ピアノをやめたのを後悔しています。むつかしいですね)。
ミュージアムショップで恋人にと軽く土産を買いました。
出てから気づいたのですが鞄に入れていたいろはすのペットボトルが壊れており200ccほどの水がこぼれていました。あずにゃん(Thinkpad)には大きな被害はなかったものの、いっしょに入れていた手提げ鞄やwebアプリケイションのセキュリティの本がびしょ濡れになってしまいました。悲しいです。
ここから帰路につきました。本を一冊買って、名古屋から浜松へ。このあたり、すこし乗換に失敗してしまってだいぶ手間取ってしまいました。三河安城という駅が大きそうだったのでそこで新快速に乗ろうと思ったら単に新幹線が止まるというだけで在来線は普通しか止まらなかったとか、なんかそういうのです。それで浜松について、ここから熱海まで二時間半も乗りっぱなしなのに、名古屋で買った本は読んでしまったし、読もうと思って持ってきた本は濡らしてしまって読めそうもなかったので、降りて本屋を探すことにしました。乗る電車がそんなに空いていなくて、二時間半も立ちっぱなしだったら嫌なので、というのもあります。
だけど、本屋が無いのです。政令指定都市とはなんだったのかというなにもなさです。駅前(というほどでもない)のショッピングセンタ?のようなところまで探して見つかったのがヴィレッジ・ヴァンガードなのですが、僕の言いたいのはそういう本屋じゃあないのです。iPhoneの電池も悲しい感じになってきていて、駅前になぜかあったビックカメラでモバイルブースターを買いました(買ってすぐに使えることはそれほど期待していなかったのですがけっこう使えました)。今後こういう旅行をすることがあれば重宝するだろうと思いますがそんな機会があるのかはおおいに疑問です。結局さしたる収穫もなく一時間ほど遅れて電車に乗りました。今度は座れました。二時間半も座りっぱなしはさすがに尻が痛かったです。
熱海に着いたころにはだいぶ暗くなっていて景色どころではありませんでした。あと遅くなっていたので湘南新宿ラインが小田原から出ていませんでした。国府津からなら出ているのでそれでもよかったのですけど、僕は九時から高校生クイズを観たかったので、乗換案内アプリの導くままに小田原で小田急に乗って帰ることにしました(そのほうがだいぶ早かったのです)。このあたりに来ると気分的には旅行の一部という感じではなくて、普通に「家に帰っている」という感じでわりとつまらなかったです。帰って高校生クイズを観ました。一回戦の第一問だけ見逃しました。
そういうわけで行って帰ってきたのでした。特に何かを得たりとかそういう旅行ではなかったのですけど(経験値は増えましたけど)、行ってよかったなあと思います。知らない街をうろうろするのとか、電車にたくさん乗るのとか。知らない街の電車のシステム、ってすこしいいなあとか。とか。とか。