0705
「白熱光」読みました。一度目に読んで挫折したときは「イーガンはこういうのがやりたかったのか……」という感じでしたが、今度は「イーガンはこういうのがやりたかったんだ!」という感じで、要するにけっこう楽しめました。というかけっこう凄いんじゃないか、これ(たびたび感想が脳裡をよぎる)。
ただ、率直に言って文章だけで理解するのはかなり厳しくて、もっと挿絵を置いてくれれば良かったのに、と思いました。世界観を説明する図は二度しか出てこないし、最初の最初には出てこないので、方角を表す言葉の使いかたから世界観そのものまで理解するのにけっこう手間取ったし、一度目はそれで挫折した部分もあります(というかほぼそうだ)。二度目は一応おおまかなところは飲み込めていたのでそこまで困らなかったけど。まあ、それが醍醐味と言われればそうかもしれないし、単に僕の読解が下手なのと想像力が足らないというのはそうなんですけれども。
個人的には「ゼンデギ」よりはこの路線のが好みなので、またこういうの書いてくれたらいいなと思います。計量が単位行列になってる世界の三部作書いてるんだっけ(ってことはまた架空科学史ものなんだろうな)。楽しみ。
具合が悪いです。熱はないけど喉がちょっと痛いし眠たい。
ときどきこんなことを思う。この宇宙が永遠に続くならば、始まってからまだ138億年しか経っていないことは奇妙ではないか。それが138兆年や138京年である可能性のほうがずっと高いのに、たった138億年の隙間をこの宇宙が偶然に射ぬくことなど、ほとんどありえないことのように思えはしないか。
もちろんこの議論は、仮に138兆年やら138京年やらだったとしてもまったく同様に繰り返されるだろう。それは無限を前にして有限であるということの、必然的な帰結だ。だからといって、このクラクラする感じを忘れられるわけではない。