十月二十八日ですけど!
実験レポートは三時頃に書き上がりました。事実を羅列しただけのあまり価値のないレポート。試問は緩かったけど多少悔しい。液晶関係の本を読めば多少解るのかな。解りたいという気持ちはある。
一限と二限はパス。午後はメスバウアー効果の実験。昼休みに予習して基礎的なことは諒解してゆくものの具体的な現象や実験の注意点はぜんぜんでした。
メスバウアー効果。実証から三年でノーベル賞を獲った実験。もともとノーベル賞というのは若手の研究者に出すものだったのだという。実験そのものは(今の感覚からすれば)つまらぬもので、ただアイデアは「ああ」という感じ。そしてこのアイデアが物理学に与えた影響はそこそこ大きいのでしょう。日本語が乱れていますが酔っているからです。
あと実験の相方に電磁気学のノートを借りました。週明けまでには返す。字が綺麗なのはうらやましい。
放課後は粉体班の総復習ゼミ。まだ理論をきっちり扱ったわけではなくて、たださまざまな現象をながめてなにをやろうか悩んでいるところなのだという。僕はオシロンとセグリゲイションの話が定量的に扱いやすくてかつおもしろそうだと思う。
僕はいま、研究者としての資質など無いに等しいくせに大学で物理学などやって時間を無駄にしているけれども、僕がかつて憧れた、いまも憧れている、物理学の、あるいは数学の、あるいは科学の力のようなもので、誰かの心を震わすことができるなら、そしてそれで、誰かをこの道に連れてくることができるなら、僕がこの数年やっていることは決して無駄ではなかったと、思えるようになるのだと思う。だから、もしも自分にそれだけの能力があるのならば、科学の力というものを伝えたい、そういうような展示ができるならいいな、と思う。僕の内なる情熱をもって、誰かの見ている景色に雷の一撃を加えることができたら、それ以上のことは、ほとんど望みようがないのだと思う。
だから、そのため必要なのは、不可思議な現象を展示して不思議がらせるだけにとどめることではなく、実験をよく見渡し、モデルを立て、数理的な解析によって予言を導き、次の実験の結果を予測する、その(人類が世界を眺める、自然科学という名前の)営みを、一枚の画として提示することなのだと思う。それが可能な(程度に単純で、だけど科学の力を感じられる)題材を選ぶことができればよいのだけど。オシロンは、その存在そのものや、さまざまなフェイズのことはブラックボックスだけれども、オシロン同士に働く「力」を理論的に予言することくらいはできればよいなと思う。セグリゲイションは、何らかの周期性を持ったパターンを形成するケースについては比較的シンプルに扱えそうな気がする。そういう理由でこの二つに関心がある。ということを語りたかったけど無理ですね。誰かここを読んでたらよいと思います。いつもは読むなと言ってるくせにね。
さて、明日は二限が休講なので午後の演習だけです。最近寒いですね。fが来て酒を買いにゆこうというのでついてゆきます。レポートから解放された快楽!でもゼミナールの発表準備をぼちぼち進めなくてはね。