0606
もうなにもしたくないのです。なににもなれないのです。なにもできないのです。
大学もやめて閉じこもってそのままうやむやになってしまいたい。生まれてこなかったことにしたい。
だけど僕にはまだ。
二限は場の量子論。クライン・ゴルドン場の正準量子化。交換関係を求める不毛な計算。
そのあと帰宅して昼寝して宇宙物理学のレポート。今夜はまあ二時くらいまでがんばります。
母とメールをしています。彼女はカウンセリングを受けろと言います。僕はそんなの(そんなの?)じゃないのですけど。ただなにもしたくないだけです。それはそれで病的。でも僕は認めたくない。認めてしまったら、きっと底がないから。
「どうされましたか」『なにもしたくないんです』
・「それではいけませんね、もっと努力しないと」『』
・「それはつらいですね、二兆円さしあげます」『』
この数日でますますおかしくなってしまった。大学に行きたくない。レポート書きたくない。なにもしたくない。なにも。
なにも。