一月十七日ですけど!
昨晩はなぜだかうまく眠れなかったりしました。不思議。でも今朝は二限に出られたのでオーライです。
そう、二限の物理数学にレポートを出しに行ったのですが、授業がなんかひどい。板書がすごい不安だし、なんというか、僕が怪訝な顔をするような授業の要素をかき集めて作られたかのように僕を落ちつかない気持ちにさせる。内容は群論の量子力学への応用と微分形式でしたけど、前者はなんだかなんのありがたみもわからぬままに終わってしまったし(章の最初からだったのに!)、後者は定義だけならべてみせて終わってしまった(まあこちらは来週以降に続くのでしょう)。いろいろといい加減な授業だと思う。単位をくれればなんでもいいのですけど。
午後は実験の解析みたいなことをしました。二、三ほどの事項を確認して面倒なのでやめにして、明日の演習の発表担当問題について友人に訊きました(ちょうど彼も(別のクラスで)そこに当たっていたのです)。彼の持っていた本に解法がおおよそ書かれていたので写真を撮って帰りました。それでさっき原稿を書きました。あまりむつかしい問題ではなくてよかった。
ところで金曜日の演習の問題はよくわかりません。これについても訊ねる機会があればよいと思うのですが。
さて、明日は量子力学の中間試験です。散乱問題が範囲らしいのですが、まあボルン近似をどうにかすればなんとかなればいいのに。部分波展開は、覚えることが多くてどうにもならない感じなのですが…。一応あとでノートをさらっておこう。
西日の差し込む神殿に彼は座り込んでいた。彼女か、彼女だったものはここには見当たらない。どこかへ行ってしまったのだろうか、それとも風にさらわれてしまったのだろうか。もう一度会いたかったな、と彼は誰へともなく口にする。彼女は無事に、「『生きている』でも『死んでいる』でもないもの」になれたのだろうか。すべてが自明に置かれた静寂の中で、彼女は幸福でさえなくあれたのだろうか。
唐突に接近してくる羽音。青い鳥だった。この世界の最初から終わりまでを見守る青い鳥。鳥はそこに立てかけてあった僕の絵をじっと見ている。とても居心地の悪い瞬間だ。なにしろその絵は僕の信仰の全部なのだから。僕の救いの結晶なのだから。僕以外の誰にも、肯定も否定もされたくないものだから。僕は絵をここに持ってきたことを後悔した。それとも僕は、自分の記述した世界の絵を、神に採点してほしかったのだろうか?なんのために?僕は拳をかたく握って、微動だにしない青い鳥を睨んでいた。
やがて鳥は、そこに記述された世界に満足したのか、それともただ飽きたのか、来たときと同じように唐突に、羽を広げ飛び立った。一度力強く羽ばたいてから、谷底に向かって滑空してゆく。モルフォ蝶のように青いその翼は、夕陽のオレンジ色をうけて不思議な色にきらめいている。
綺麗だな、と彼は思った。